2010.10
LGBTペアレントというのは、大人だけで切り離せば、
「LGBT」ということになります。
しかし、「子どもを持つ」ことによって、生活サイクルは
大きく違ってきます。
LGBTが基本的に大人のみの文化であるのに対し、
LGBTペアレントのライフスタイルは子どもが中心です。
新宿2丁目が昼間は閑散としているのに象徴されるように、
LGBTの文化は夜が中心です。
当り前のことなのかもしれませんが、LGBTペアレントはそうもいきません。
LGBTシーンにはどうしても縁遠くなりがちな代わりに、「親」として、異性愛者が中心の
家族行事には多く関わることになります。
つまり独身同士のLGBTカップル、あるいはシングルのLGBTに比べて、
格段にヘテロセクシャル(異性愛者)との距離が近い、というのも特徴のひとつです。
子どもを通して、家庭の内情が周囲に知れやすいという点も他のLGBTとは違っており、
同居パートナーがいても、その存在が不可視化しやすい・・・という問題には比較的縁がない代わりに
社会と家庭をどうつなぐかという問題を抱えることになります。
マキコとサチのカップルの例をあげてみましょう。
ふたりには、マキコが生んだ小1になる男の子、ダイゴがいます。
ある日、ダイゴの友達、タケルくんがマキコにあうなり
「ダイゴのおかあさーん、ねえ、サっちゃんて誰?」と大声で聞いてきました。
サチのことは言ってないはずなのに!と驚きながら、マキコはおそるおそる聞いてみました。
「ねえタケルくん、サっちゃんの話、誰から聞いたの?」。
「今日ね~、朝のお話の時間に、ダイゴくんが言ってたよ。
うちのお母さんは、サっちゃんにちゅーしました。って!」
マキコが驚愕している間に、タケルくんは走って行ってしまいました。
・・・。
LGBTファミリーならではの笑い話ですが
こういう話は実際起こります!
ちゅーのことはバラされなくとも、パートナーと暮らしていることは
ほぼ確実にバレますので、その辺は「そういうものだ」と受け止めておく必要があるでしょう。
LGBT家族の多くは、カミングアウトしていないのが現状です。
家族たちは、「親戚」「友達」「きょうだい」などと説明しているケースが多いようです。