思うこと -LGBT家族についての思いあれこれ

その5 家族の形 ~ステップファミリー

2010.11(2012.5.6加筆修正)

子どもを持つLGBTにはいくつかタイプがあることをお話しましたが

その中のひとつ、子どもを連れて同性パートナーと同居をした場合のお話。


このケースが、世で言う「ステップファミリー」(再婚家庭)であることが  

あまり話題にはならないのが、私はかねがね不思議でした。

 

LGBTファミリーであるということがあまりに大きいためか

この話題があまりされてきていないような気がするのです。


ステップファミリーとは、一方が、あるいは両方が、子どもを連れて

一緒に暮らすことになった家族のことです。

 

「継母」「継子」という言葉を聞かれることもあるでしょう。


だいたいシンデレラなどおとぎ話にはたいてい、意地の悪い継母が登場します。  

彼女たちは意地悪で、冷たくて、主人公をこき使い、そのくせ夫である

主人公の父には媚を売る嫌な女として描かれています。  


実生活で私は、立場的に継母になります。このことに、実は最初はあまり気がついていませんでした。

 

しかしパートナーの子どもの面倒を見始め・・・やがて自分は継母になったのだ、と理解しました。

私はあの、意地悪で冷たい、継母という存在になったのです! 

 

実際に育児を始めてみると、継母とはそんなにたやすい立場ではありません。  

継子とはちょうど、お姑さんによく似ています。好きな人の、一番身近な家族。  

そう自分よりも身近な・・・。


お姑さんど同居というと、「大変よねえ」という同情のまなざしも得られるけれど

継子相手には世間はそうは言いません。

 

「相手は子どもなのだから可哀想」。そう、その通りです。その正論の上に、

お姑さんと展開するような関係を築かなければならないのです。

 

小さな子どもならではのささいな、けれど心に突き刺さる一言に、感情的にならず向き合うこと。

この修行は、ひとりで向き合うのはなかなか大変なもの。

 

 

私は、ヘテロセクシャルの継母さんと話すことで、救われてきたように思います。  

セクシャリティを超えて、同じ母としての苦労を分かち合ってもらいました。

これは本当にありがたかった。カッとなったり、落ち込んだときに

同じ立場の人からの言葉は、なによりもありがたかったです。

できるだけ気持ちを分け合える相手を見つけることを、ぜひお勧めします。 


残念ながら、LGBTのステップファミリー情報はほぼ皆無ですが、

ヘテロセクシャルのステップファミリー情報は  

多くはないけれど、確実に存在しています。

 

ここでお勧めの書籍を2つほどご紹介しておきましょう。

いずれもヘテロセクシャルを前提とした本ではありますが  

LGBTのステップファミリーにとっても、充分な内容です。

 

 

ファミリーレッスン~愛が伝わる魔法のコミュニケーション~ 

 

瀬川文子著(合同出版)

 

初婚のステップマザー(子連れの男性と結婚をした独身女性)である

著者が、自らの体験から見出した、家族をつなぐコミュニケーション術が

満載の本です。

 

「能動的な聞き方と受動的な聞き方」「あなたメッセージは攻撃的」など、

ステップに限らず、「親業」を考えるすべてのひとにとって、実践的な、

コミュニケーション方法のヒントになる本。

 

実際にこれを実行するのは、なかなか大変ではありますが(笑)、 心にとどめておくだけでも、役に立ちそう!

 

 

Q&A ステップファミリーの基礎知識  

~子連れ再婚家庭とその支援者のために~ 

 

野沢慎司 茨木尚子 早野俊明 SAJ 編著(明石書店)

 
「日本における、はじめてのステップファミリーの概説書」と  

銘打っているだけあって、非常に詳細に、

同時に概念だけにならずリアルな当事者の声もしっかり反映されていて

 

読みごたえのある本。ステップファミリーを分かりやすく説明して  

あるので、状況を整理するのに最適。

 

後半はQ&Aになっていて、日常生活のことから法律のことまで、

分かりやすく答えてもらえます。

 

編著に名前の挙がっているSAJとは、StepFamily Association of Japanのこと。

アメリカのステップファミリー支援団体SAAを母体にした

非営利団体で、日本のステップファミリーにさまざまな情報提供を

行っているほか、会合なども行っているのだそう。

異性愛者向けの団体ではありますが、LGBTでも受け入れてくださいます。

SAJ公式サイトはこちら

LGBT家族と友人からの寄せ書きは

年中募集しています。

書いてくれる方、ここからお知らせください!