インタビュー

LGBTファミリーにまつわる、さまざまな立場の方のインタビュー集です。

トップページに掲載していたもののアーカイブです。

 

そのとき、その立場で語ってもらった言葉は本当に貴重で、私にとっては宝箱のようなもの。

話を聞かせてくれた各方面の皆さま、本当にありがとうございました!

 

 

4月29日よりいよいよ公開される、レズビアンマザーの監督による、

レズビアンマザーの家族を描いた映画「キッズ・オールライト」。

アカデミー賞主要4部門にノミネートされたり、ゴールデングローブ賞を

取ったりと、何かと話題のこの映画。

今回は、配給会社ショウゲートの宣伝担当、船瀬さんにお話を伺いました。

2011.4.5

レズビアンマザーの家族を描いた映画「キッズ・オールライト」まもなく公開ですね!

船瀬さん、早速ですがこの映画について、内容を少しだけ教えてください。

(C)2010 TKA Alright, LLC All Rights Reserved
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はい。宜しくお願いします!

この話は、南カルフォルニアに暮らすある一家の

「家族の物語」です。

中流家庭で育ち、大学進学を控えた姉と思春期の弟には、

実は母親がふたり。

つまり「レズビアンマザー」の家庭に育った子どもたちが

そろそろ巣立ちを迎えるひと夏のお話です。

遺伝子上のパパを演じるマーク・ラファロ(左)。思春期の弟レイザー役を演じるジョシュも絶妙。
遺伝子上のパパを演じるマーク・ラファロ(左)。思春期の弟レイザー役を演じるジョシュも絶妙。

姉弟は、母たちに内緒で自分の遺伝子上の父-精子提供者-を

捜そうとするところから話がはじまります。

そうして出会った遺伝子上の父との関わり、

巣立ちを迎えた子どもの気持ち、親の気持ち・・・。

「レズビアンマザー」の家庭を題材としてますが、

どこにでもある普遍的な家族の絆を描いた話です。

●監督のリサ・チョロデンコ氏自身も、私生活では人工授精で子どもを設けているレズビアンマザーだそうですね。

そうです。ちょうど脚本を考え始めた頃、監督はパートナーの女性との間に子どもを持つことにも

取り組み始めたようです。

当時(アメリカの)メディアで放送されはじめたドナーで生まれた子どもたちの成長がとても気になっていた、

とも話していて、それが少なからずこの映画にも影響しているのでは、と思います。

 

●(ヘテロセクシャルである)船瀬さんから見て、どんな感想を持たれましたか?

自分の家族でも、両親が大喧嘩してたり、逆に親に反発したり。うまくいっていない時期もあったり、

でも仲良くなってみたり・・・・。

家族ってそうやって出来てるのかなぁと思いました。私はまだ未婚ですが、家庭を持ってみたいなと思いました。

 

●今回、最初に出た告知の中に「少しいびつな家族」という表現が使われていたことで、

一部のLBGTから訂正を求める声があがりましたね。

そうですね。こちらとして、一般の方向けに作成したものには一切そのような表現をしていなかったのですが、

当初マスコミ向けに出した資料内にあった記載をそのまま流用された事でこのような表現が出回ってしまいました。気分を害された方、不快な思いをされた方には申し訳ない気持ちでございます。

ただ、もちろんレズビアンマザーの方々を度外視していたわけではなく、むしろ応援していただきたい、

観て頂きたいという気持ちを強く持って宣伝しております。

 

●公開前なので、詳しい話は言えないと思うのですが(笑)、この映画の見どころを教えてください。

演技派なふたりならでは、見ていると「この二人がレズビアンじゃないなんて!」と思えてきます(?)
演技派なふたりならでは、見ていると「この二人がレズビアンじゃないなんて!」と思えてきます(?)

音楽、カルフォルニアの景色、おいしそうなオーガニック野菜たち…

見所はたくさんあります。

しかしやはり、家族ならではの本音をぶつけあうという

素晴らしい演技を見せる、アネット・ベニングと

ジュリアン・ムーアのレズビアンマザーふたりの掛け合いには

時には笑えて、時には泣けます。

是非注目してください!

●もう少し、聞かせてください!

アリス・イン・ワンダーランドで主役に抜擢されたミアが姉ジョニを演じているのも要チェック!
アリス・イン・ワンダーランドで主役に抜擢されたミアが姉ジョニを演じているのも要チェック!

この映画には、スーパーヒーローも出てこないし、派手な事件も起きません。

ただただ、ある家族の日常を描いた映画です。

でも、家族の中の誰かが一人暮らしをする時の

なんだかさびしい感じ・・・とか、

親達が大喧嘩した次の日でも普通に家族で食べる朝食・・・とか、

そんな日常を送れるのって

やっぱり家族の絆なんだなぁと感じられる映画だと思います。 

 

4月29日(金・祝)から公開となります! 是非、劇場にお越し下さい!!!

「キッズ・オールライト」 

監督・脚本 リサ・チョロデンコ 共同脚本 スチュアート・ブルムバーグ

出演 アネット・ベニング ジュリアン・ムーア マーク・ラファロ 

ミア・ワシコウスカ ジュシュ・ハッチャーソン

 

映画公式HP allright-movie.com

4.29(金・祝)渋谷シネクイント、TOHOシネマズシャンテ、シネ・リーブル池袋 ほか全国ロードショー

●インタビューに答えてくださったショウゲートの船瀬さんから読者の皆様へ。

今回はなんと!!試写会のプレゼントがあります!

→たくさんのご応募、ありがとうございました! !

「ジュリアンムーアがレズビアンマザーを演じた映画がアメリカで公開されるらしい」。

その話を聞いたのは、かれこれ1年以上も前の話。

日本には入るのだろうか・・・とやきもきし続けていたら、

アメリカで公開されるや否や、あちこちで賞を取り、なかなかの高評価。

これはもしや日本にも入るかも・・・!と期待して待ち続け、ショウゲートさんが配給会社に決まった!と

聞いたときは小躍りしたほど。こんな風に映画を待ったことは初めてのことでした。

 

で、実は待ちきれず、試写を見に行かせていただいてきました。

 

以下に私の個人的な感想を書かせていただきました。

(ネタバレとまではいきませんが、まったく情報ナシで見たい方は、スクロールしないでくださいね!)

 

 

 

 

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で、観てみまして・・・・。

 

ん?んんん??

・・・・正直、チラシなどの印象(青い空、いかにも幸せな家族、おいしそうな食事・・・)とはかなり違うのでは?!

というのが第一印象。

 

映画の感想というのは、人それぞれだと思いますが、この映画が「ミュージカル・コメディ賞」にノミネートされた、というのは、ぶっちゃけ「え?いったいどの辺が?」という感じ、でした。私は。

笑いのツボがアメリカ人とは違うのか??

まあ前半はコメディ要素もあるにはあるけど、コメディっていうほどコメディなのか・・・?

 

ある意味、期待とは違う内容なのだけど、

では、この映画、がっかりするものなのか?というと、それはまったく違います。

そうではなく、もっと生々しく、リアルさが息づいている映画なのだと思うのです。

監督自身が人工授精で同性パートナーとの間に子どもをもうけているという背景からわかるように

これは生々しい「レズビアンマザーの現実」を、少しずつ誇張しながらも、非常に正確に

描いている話だと思うのです。

 

 

もしかしたら、若いLガールたちが、この映画をみたら、がっかりするかもしれません。

南カリフォルニアで、(たとえば『Lの世界』のベットやティナのように)素敵に子育てをする

幸せな家庭を見たい!と思って見に行くと、手痛い思いをするかもしれません。

 

 

日本は、アメリカと違って、人工授精が認められていません。

だから「人工授精で彼女と子どもを持って・・・」というのもまだ少し、遠い世界のことかもしれません。

 

だけどアメリカでは、人工授精は20年ほど前から定着をはじめています。

この映画は「人工授精がある程度浸透している社会ならではのリアルな現実」

描いているのではないかと思います。

人工授精で、同性カップルが子どもを設ける。

これは夢物語なのではなく、もうけた先には、やっぱり現実がある。

子どもをもうければ、ずっと幸せ・・・なんてことは、当たり前だけどありません。

(それは周囲のヘテロカップルを見ていればわかるように!)

その現実を、よーく教えてくれる映画でもあります。

 

私は日本暮らしなので、人工授精のネタには「あるある」とは言えませんでしたが

レズビアンマザーカップルのニック(アネット・ベニング)とジュールス(ジュリアン・ムーア)の演技には

「ああ~~~あるある・・・イタタタ」と、思わず苦笑いをせずにはいられない場面が

いくつもありました・・・(思い当たる節が多すぎて痛い)。

 

また、担当した船瀬さんが話してくれている通り、これは間違いなく「家族」の物語です。

この映画に際して、奇しくも「いびつな家族」という表現が使われたことで

一部のLGBTから抗議が起こりましたが(私ももちろんその一人でした)

この映画を見ると「家族とはすなわち、(レズビアンマザーの家庭であろうとなかろうと)

いびつなのだ」と思い至ります。

家族のことは家族にしかわからない。

おかしくて、愚かしくて、はたから見ると不可思議で、でも自分にとってはかけがえのない「家族」-。

 

この映画について、 白央篤司さんというライターの方が、とてもぴったりくる表現をされていました。

最後に引用させていただきます。

 

「ほどけそうになる絆を「離したくない」から結び直す。拒絶されても傷ついても諦めない。

なぜ愛する人を傷つけてしまうのか、許して、という問答の繰り返し。

差異を超えその姿は間違いなく自分も通ってきた家族の道と同じだ。

2時間でこんなに他人の家族を近しく思うとは。」

 

●お話を伺ってみて

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